東京メタ哲学カフェで哲学カフェのルールについて考えました

前置き

今日は、東京メタ哲学カフェという、主に哲学カフェの主催者で対話する場に行ってきました。
基本的に主催者向けですが、主催者予備群という感じの方もいるので、そういうモードの方でしたら参加したら楽しいかもしれません。

ちなみに、アイキャッチ画像は、昼に参加前に一人で食べたミャンマー料理です。
会場の高田馬場は、リトルヤンゴンとも言われるミャンマー料理のメッカのようなのでトライしました。
ベトナム料理と中華料理の間って感じかな。やさしい田舎料理って感じでなかなかでした。

全体のまとめについては、誰かがレポートをあげてくれると思うので、省略します。
ここでは僕が特に考えたことだけ書きますが、まあ、話半分で読んでください。
(注意:この文章は参加レポではありません!独自研究です。)

本題

今日のテーマは「哲学カフェのルール」でした。
まず、知らない方のためにちょっとだけ解説すると、主催者によって違いますが、多くの哲学カフェでは、
人の話しを聞こう!話は短めに!専門用語はなるべく使わないでね!といったような、ルールというか、標語みたいなのが掲げられていることが多いです。
このルールについて考えるというのが今日のテーマでした。

表ルールと裏ルール

3時間くらいの話を終えて思ったのは、哲学カフェには、表ルールと裏ルールがあるのではないか、ということです。
表ルールとは、先ほど例に挙げたような、明記されたルール。これは何のためにあるかというと、参加者がきちんと対話できる場を成立させるためにあると言えるでしょう。
つまり、参加者のためのルール。
もうひとつの裏ルールとは、参加者のため、他の誰かのためではなく、主催者自らが楽しむために、自らに課すルール。
こういうことを心がけておくと楽しいということを体験から知っているから、その体験を再現しようとして心がけ、自分に課すルールとでも言えるでしょうか。
つまり、主催者自身のためのルール。これは、言葉で列記されたルールというより、どうしたらより楽しくなるか嗅ぎ取る嗅覚に近い気がします。経験と勘の世界。ルールよりは心持ちと言ったほうがいいかもしれない。

そして、この表ルールと裏ルールは、哲学カフェの醍醐味という建物に入るための2つの出入り口となっています。
表門から、しっかりルールを意識して参加しても哲学カフェを楽しめるし、裏門から、自分の楽しい気持ちだけを指針にして参加しても哲学カフェを楽しめるという意味で。

ここで強調したいのは、表門を通っても、裏門を通っても、同じ建物にたどり着くということです。
つまり、表ルールも裏ルールも実は同じことの表と裏なのではないでしょうか。

誰かが言っていましたが、言葉にされたルールを守るということは、武術の型を学ぶことに似ています。明記された正当なルールをしっかり守ることで、正しくて楽しい対話をすることができる。
一方でルールなど気にしなくても、楽しいものを判別する嗅覚があれば、正しくて楽しい対話をすることができる。これは、武術の天才はセンスがあって強い、というのに似ているかもしれません。
ですが、いずれにせよ、正しくて楽しい対話ができるということになります。
別の比喩なら、顕教と密教、南斗水鳥拳と北斗神拳の関係に近いかも・・・(だんだん脱線してきた・・・)
(念のためですが、僕自身にセンスがあると言いたいのではないです。どちらかというと、そういう進行ができる人が羨ましい。)

哲学対話の特別さ

そして、哲学対話が特別なところは、表門の正しさという道を通ったとしても、裏門の楽しさという道を通ったとしても、きちんと対話をすれば、正しくて楽しい対話になるということです。正しさと楽しさが、なぜか重なっているのです。

表門から、参加者に配慮し場を成立させよう、と明記されたルールをきちんと守って、正しい対話ができれば、なぜか楽しくなるし、裏門から、ただ自分が楽しもうと思って対話すれば、なぜか正しい対話になってしまう。そんなところが哲学対話にはあるような気がします。

この、正しさと楽しさが一致するという言い方自体に違和感があるかもしれませんが、僕は、特に「楽しさ」について、哲学対話独特の楽しさという意味を込めています。
この楽しさを味わったことがある方なら、その楽しさが、ある特別な正しさにつながっているという感じをわかってもらえるのではないかと思うのですが・・・

なぜか正しいと楽しくなるし、楽しいと正しくなってしまう対話の不思議。これは人生そのものの正しさや楽しさにもつながっている気がします。なにせ、こんなに不思議なんですから、でかい話につながる地下水脈であってもおかしくない、と僕は睨んでいます。

独自研究は以上です。大事なことのような気がして書き残しておきたかったので、今日のうちに書いておきました。今日で連休は終わりだし・・・(涙)

 

(蛇足ですが、僕の見込みでは、よくある哲学カフェのルールのうちの「変わることを楽しむ」に秘密が隠されている気がしています。これは自分のためのメモ。)

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